アマルフィ海岸
色鮮やかな蜃気楼の島
家やアーチ、丸屋根、長い開廊、そしてブーゲンビリアもまるで重力に挑戦するかのように、コムーネ連峰やサンタンジェロ・ア・トレ・ピッツィ山の急斜面にしがみついています。
ギリシャのような白い家々はアラブ風というよりは南エーゲ海諸島に見られる伝統的なビザンチン様式が取りこまれたものです。広い道は一本だけで、あとは奥まった急な階段があるばかりです。ポジターノでは平坦に歩くのではなく、上り下りする感じです。
不思議な風景や漁師たちの生活に魅了された画家や映画監督、作家など、特にロシアの文化人たちが小屋や修道院を改築して別荘に建て変え、立派な隠れ家を作りました。この地から発信された流行(Moda Positano)は色彩に富み異国情緒漂う独特のもので、熱狂的なアメリカ人たちによって世界中に広まりました。世界中の花々が咲き乱れる島で、観光客たちは甘い夢の中に誘われていきます。
おとぎの国ポジターノは絵葉書みたいな、大きなプレゼーピオみたいなところです。眼前には空と海が果てしなく広がっています。水面に互いを映したように向かい合う三つの青い岩礁はセイレンの島「ガッリ(Li Galli)」です。ユリシーズはこの島を畏れていましたが、ティベリウスは大好きでした。ヌレエフもお気に入りで、波の歌や船乗りの話を聴きながら神殿の舞踊を思い描きました。一番大きい「ガッロ・ルンゴ(Gallo Lungo)」島にはローマ時代の邸宅(Villa Romana)やガッロのアンジューの塔(Torre Angioina del Gallo)があります。
見 所
サンタ・マリア・アッスンタ教会 (Chiesa di S. Maria Assunta)
四角い家々に囲まれて、フラビオ・ジョイア広場(Piazza Flavio Gioia)に聖人アッスンタを祀った教会が建っています。大きな丸屋根はマジョリカ焼のモザイクで、内部には色大理石の祭壇があります。
主祭壇にビザンチンの「黒い聖母子(la Madonna Nera col Bambino in Grembo)」像があります。1000年頃、海からやってきたのです。後からサラセン人がやってきて、逃げようとしたとき、嵐が起こって彼らの船を止めました。その時、聖母マリアが異教徒たちに「(私を)置いて、置いて(ポーザ、ポーザ)」と命じました。そして、聖母子像が置かれた浜辺のその場所に漁師たちが教会を建て、やがて村ができました。ポジターノはこの「ポーザ、ポーザ」からつけられた名前です。
ポジターノの沖合いに浮かぶ「ガッリ(おんどり)」と呼ばれる三つの島は昔「セレヌサエ(セイレンの島)」と呼ばれていました。セイレン(半人半魚の海の妖精)はその歌声で船乗りたちを魅惑して、船を難破させたと言われています。ティベリウスはここをよく訪れました。
船で島を巡りギリシャ神話の世界に思いを馳せるのもいいかもしれません。
アマルフィ海岸
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